楽しい投資研究所の旅日記

楽しい投資研究所 www.1toushi.com からの出張Blogです。

サグラダ ファミリアのこと

サグラダ ファミリアを再訪した。やはり圧巻である。一〇年前も巨大だったがさらにでかくなっている。

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*人はこんなものまで造ることができるのかと。

二〇二六年に完成の予定だそうだ。以前訪れたときは完成時期未定だった。逆に完成させるつもりなのだというところが驚きである。

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*議論を呼んだ現代彫刻と、個人的に納得のいかない魔法陣。

常に姿を変えているわけだから僕のような旅行者は何度でも訪れたくなる。未完成にもかかわらず世界遺産となっている唯一の建造物なのだ。もうそれでいいだろう、と完成させないことが市の戦略なのだと思っていた。完成時期が早まったのは建築に3Dプリンタを使い始めたことが効いているらしい。ニューテクノロジーとは大したものである。。

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*これは受難のファサード

チケットはオフィシャルサイトで予約した。予約は必須である。直接訪れた日本人旅行者に門前払いを喰らった話を聞いた。

塔にも上れるチケットがひとり29ユーロ。生誕のファサードと受難のファサード、いずれかの側の塔を選ぶ。僕は生誕の方がどちらかといえば好みである(ガウディ存命時につくられた)。時間帯は午前中が人気のようで早々に売り切れていた。

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*こちらが生誕のファサード

サグラダ ファミリアを訪れる観光客は年間300万人を優に超えるという。仮に一人平均20ユーロ支払うとして、入場料収入は少なく見積もっても年間6,000万ユーロ、円換算で78億円である。

サグラダ ファミリアの工事費用は修繕維持費用を含めて年間約2,500万ユーロ(約32.5億円)と見積もられている。であれば工事継続でも十分に採算がとれそうである。未完成マーケティング戦略は有効なのだ。

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*絶賛工事中。

予約した時間の15分前になかに入れと指図を受けた。喜んで従う。聖堂内部は壮麗なものである。石造りの森だ。一〇年前は普通の工事現場だった。

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*聖堂内部はすでに完成している。

観光客は小ぶりのエレベーターで塔を上る。その後、見物しながら階段で降りる。すでに歴史を感じさせるつくりである。らせん階段を上から覗き見たところ、うわ美しいなと軽く感動を覚えた。これは自然の本質を表わす形なんじゃないかな。

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*らせんの美しさ。

この日、地下の礼拝堂では結婚式が執り行われていた。ふたりがこれから築くであろう聖家族に祝福あれ。

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*めでたいといっておく。

グラナダでバル巡りのこと

アルハンブラ宮殿見学ののち、バルに立ち寄って昼食とした。白ワインとサングリア。一杯頼めば小皿料理(タパ)が一品付く。お気に入りのバルは ホテル近くのラ リヴィエラ(La Riviera)である。

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Googleマップいち押しの人気店。

前回来たときには売り切れていたタコの唐揚げとサラダをオーダー。旅先では野菜不足に陥りがちだがその問題はバルで補うことで解決である。

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*バルが欠かせない生活。

それにしてもうまい。このとき午後二時半である。白はすぐに空いたので赤ワインも頼んだ。前回食べたカレー風味のよくわからない魚のフライがおいしかったのでそれも頼む。サラダも再びオーダー。酸味が効いていておいしい。疲れもとれる。

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*ドギーフィッシュの唐揚げ。どんな魚なのかは不明である。

アルハンブラ宮殿見学はちょっとした登山の趣があった。宮殿とはいうものの山上に位置するひとつの街である。正直、ここまで広いとは思わなかった。

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*前日アルバイシン地区からアルハンブラ宮殿を望んだところ。

アルハンブラ宮殿ナスル朝グラナダ王国の築いた城塞であり、1492年カトリック両王の攻勢によりアルハンブラは陥ちた。これによりグラナダは陥落、ナスル朝は滅亡し、イベリア半島はふたたびキリスト教勢力のもとに降りレコンキスタは完了した。

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*外見はぱっと見廃墟であるが、なかは絢爛豪華なものである。

ところでバルの女将さん・兄さんの感じが良くてますます酒がうまい。スペインの酒場は想像以上に雰囲気が好ましい。旅行者に優しい気がする。片言のスペイン語が効いているのだろうか。

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リヴィエラ店内の様子。

そういえばいくつかスペイン語を覚えた。学習にはやはり現地での実践が最適である。片言でもスペイン語を口にすると現地の人たちの対応が変わるような感覚がある。得意のスペイン語をお教えしよう。以下のとおりである。

・ウノ ヴィノ ブランコ ポル ファボール(白ワインをくれないか)
・ウノ ヴィノ ティント ポル ファボール(赤ワインを頼む)
・ウナ セルヴェサ ポル ファボール(ビールをくれ)

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*セルヴェサとよくわからない魚の唐揚げ(うまい)。
・ラ クエンタ ポル ファボール(お勘定を頼む)
・ムイ ビエン、グラシアス(おいしかった、ありがとう、また来る)

これであらかたこと足りる。

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*これだけ飲み食いして(ふたりで)8.5ユーロなのも驚きである。

その道にハートはあるか?という話(或いはローマ上空でワインに酔えばという話)

カタール航空機はバルセロナへ向かう途上、ローマ上空を飛んだ。このときワインで気持ち良くなった頭でふと思い出したのが、哲人皇帝と呼ばれたマルクス アウレーリウスというエライ人の言葉である。曰く『各々のものはそれがつくられた目的に向かって惹かれる。惹かれるものの中に各々の目的がある。目的のあるところに各々の利益と善がある』

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*ローマ近郊上空からの風景

いいことを言ってくれる。さすがである。ひとは各人が心底から惹かれるものに向かって情熱的に生きるのが正しい。どう生きようがそれは各人の自由だが、生き方には正しい生き方とそうでない生き方があるのだ。

ある人の目からはくだらない生き方に見えようが、そんな意見は大きなお世話である。人は本心から惹かれる物事に向かって生きるのが良い。それがハートのある道 "Path with heart" というものなのだろう。

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*その道にハートはあるか?ハートがあればその道を往き、なければ往く必要はない。

生きる道は星の数ほどあるが、どの道も人をどこへも導いてはくれない。ハートのある道か否かただそれだけである。この言葉、二〇年前カスタネダドンファンの言葉として教えてもらったのだが今も色褪せず、むしろますます光り輝いて僕の心に強烈に響いて来る。

さっぱりハートを感じないがただ惰性で生きる、昔の僕の生き方ではあるが、やはりそんな生き方は真っ平御免であるし、人として誤りである。誤った道を選択することも許されるくらいに人は自由だともいえるが、そんな道を往くのは御免こうむりたい。だから僕は旅をするのだ。

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(c) Carlos Castaneda, 松田隆智

ブエリング航空のこと

今日、バルセロナからグラナダへ飛ぶ際にブエリング航空を初めて利用した。陸路も選択肢として考えたのだが、そうするといったんマドリードまで出なければならず8時間以上かかるのだ。空路なら1時間半である。迷う理由はない。

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*雨のグラナダに降り立ったブエリング機

ブエリング航空はバルセロナを拠点とする格安航空会社(LCC)である。安い。LCCの常として小刻みにチャージを重ねてくるが、それを考えても安い。今回は預入手荷物の重量制限が23キロのパッケージを購入した。これをオーバーしてしまうと多額の追加コストが発生するため少々怖かったのだが、持参する本を抑えたのが奏功した。たしかに数週間の旅で十冊も読めるわけがないし、本の重さで腰を痛めそうになるのも本末転倒な話である。

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バルセロナ空港の自動チェックイン及び自動手荷物預け入れ機

事前にオンライン チェックインを済ませ、手荷物預け入れの登録作業も自分で行う。タグも自分で貼り付けた(初体験である)。カウンターの職員さんは乗客から手荷物を受け取るだけである。

今回日本を発つ直前のタイミングでブエリングの搭乗手続きに変更が加えられた。搭乗者を3つのグループに分けることでスピーディーな搭乗を可能にするということであった。こちらとしてはボーディング パスをもう一度印刷しなければならないという手間は増えたが、工夫を重ねているのだなと好感を覚えた。実際、搭乗の流れも実にスムーズであった。

座席は広くはない(広いわけがない)が極端に狭いわけでもない。常識的な狭さである。機内ではコーヒーやサンドイッチ、ワインも頼める。当然有料だがこれまた常識的な価格である。

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*納得の狭さ(不快ではない)

遅延が頻発するとの評も聞いたが、今回そんなことは全くなく、予定時刻通りの見事なオペレーションであった。関わった従業員の人たちは皆てきぱきと動いていてしかも笑顔で感じが良い。素晴らしい会社なのかもしれない。であれば株が欲しい。

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バレンシア上空辺りのブエリング機

ブエリング航空はインターナショナル エアラインズ グループ(IAG)の傘下にある。IAGはロンドン証取とマドリード証取に上場していて、同社の下にはブリティッシュ エアウェイズとイベリア航空がある。イベリア航空は今回大好きになった(イベリア航空グラウンドスタッフの人たちにたいそうお世話になった)ので良いのだがBAは良い評判をあまり聞かないかな。航空会社を所有するのは難度の高い投資という印象を持ってはいるが、もう少し調べてみたい会社ではある。

カタール航空ビジネスクラス搭乗の覚書 その2

カタール航空にてビジネスクラスに初めて乗る。この歳になっても初体験の事柄は存外多い。
座席スペースがたしかに広い。とても広い。

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着座するなりウエルカムドリンクがささっと出されて離陸前、ビジネスの空間ではこのような時間が流れていたのかと軽い驚きを覚える。

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出て来るナッツまで温かい。

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コース料理が出て来た。

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和食も見事。

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海上空辺りでフィレステーキが登場。

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ちなみにこのとき深夜0時である。

カタール航空ビジネスクラス搭乗の覚書 その1

今回の旅はカタール航空ビジネスクラスを利用した。成田でラウンジを使えるとなって当初は浮かれたが、外資の航空会社の場合、手荷物預け入れは出発時刻の3時間前が原則である。

預ける手荷物がなければオンラインでチェックインを済ませ、いつでも好きなときにラウンジに入れるらしいが、短期の出張とかではないのでそれは無理な話である。

当日は余裕をもってチェックインカウンター前に陣取った。結果的にカタール航空のチェックインカウンターは出発時刻の3時間半前に開いた(開けてくれた)ので想定よりちょっと早めにラウンジには入れた。嬉しいですな。

酒がおいしい。

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どれを呑んでもうまい。JALの品揃えや良し。

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いわゆるJALカレーも想像以上のおいしさである。本当にうまい。ついでにビールは一番搾りであったが普段よりもおいしく感じるのはなぜなのか。

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ラウンジで腹を満たしてしまうとと機内で食べられなくなるから気を付けろとはいうものの、それは無理な相談である。
さて、これからドーハに向かう。

ユーロ紙幣がくしゃくしゃな理由

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 ユーロ紙幣はたいていくしゃくしゃである。レジで新札を渡すと受け取った店員さんはその場でくしゃくしゃにしたりする。それには理由があるのだ。ユーロ紙幣の新札は静電気でくっつきやすいためである。

 注意力散漫のうっかりさんは会計の際に二〇ユーロ紙幣一枚を渡したつもりで四〇ユーロを相手に渡したりしてしまう。このうっかりさんとは私のことである。

 私はこの「うっかり」を昨年、ドイツ滞在中に二度しでかした。一度はスーパーのレジでである。このときレジのお姉さんは親切にも「一枚で結構ですよ」と返してくれたのだが、二度目はそうはいかなかった。ベルリンのフードコートでの支払いの際、私は二〇ユーロ(約2,600円)を余計に支払ってそのままである。なぜわかったかといえば、その日の晩にホテルで現金実査を行ったところ不明差異が二〇ユーロあったことがひとつ、もうひとつがフードコート支払いの際に店員女性が挙動不審だったことである。一五ユーロの支払いにこちらが二〇ユーロ紙幣を渡したところ、彼女はキャンディバーをしゃぶりながらお釣りに一五ユーロを返してきた(どういう計算なのかは不明である)。このときこちらは二〇ユーロしか渡していないつもりだったのでお釣りはそんなにいらないよと返したところ、彼女はそうかそうかと五ユーロだけ返してくれてそれきりである。

支払いにユーロ紙幣を渡したところ、その場でくしゃくしゃにされて何だか傷ついたといった日本人旅行者の方がいたが、それは侮辱でもなんでもなくて、単に紙幣の取り扱い誤りを防ぐための方策である。

さて私は、この出来事がトラウマになってしまい、帰国してからも紙幣で支払う際、病的なまでに何度も枚数確認を行うようになってしまった。何度も確認して分かったのは日本円のお札はくっつくことがほとんどなくて高品質ということだ。外へ旅に出て思う第一の事柄は日本という国の住みやすさである。