高台寺で北政所ねねを想う
高台寺、圓徳院、掌美術館を訪れた。
京都・東山にある、豊臣秀吉の正室・ねねゆかりの寺であり住居跡である。縦横に走る細い路地がねねの小径と称されてきれいに整備されていて、今もこの地の人たちに慕われているのだなあと感銘を受ける。
北政所と呼ばれた。従一位。秀吉の死後、僧籍に入り尼さんになった。法名は高台院。
司馬遼太郎の本で読んだ。新史太閤記、関ヶ原、城塞、豊臣家の人々と、司馬氏はかなりの頁数をこの女性に割いている。とても賢く豪気なひとであったらしい。司馬氏の小説では徳川家康と親密な関係にあったように表現されていて実際、高台寺建立も家康の後援のもとなされたのだが、最近では両者は実はそれほど親しい間柄でもなかったようだという研究者もいる。
高台寺の敷地内でお抹茶をいただく。茶菓がついて五百円。お茶と引き換えに代金を支払うシステム。白人男性がひとり我々の後に入ってきた。あずまやの女将は最初丁寧な英語で話しかけていたようだがうまく通じなかったようで、改めて”Pay now”とストレートな表現で代金を受け取っていた。あ、それでいいんだ。勉強になる。
京都の人々は庭師さんまで流暢な英語を話す。外国人観光客の数がものすごく多いせいだろう。久方ぶりに来てみれば、京都はすさまじいばかりの国際都市になっていた。