トレドを訪れる際、注意すべきたったひとつのこと
(※トレド 2018年9月)
スペインを一日だけ訪れることができるというのなら迷わずトレドへ行け、ともいわれる都市。旧市街全体が世界遺産である。画家エル グレコが生涯の大部分をこの街で過ごした。
*アルカンタラ橋からアルカサルを見上げる
トレドは昔、西ゴート王国の首都。スペインが統一されてからも中心都市のひとつだったが、スペイン・ハプスブルク王朝最盛期の王、フェリペ2世がマドリードに遷都して後、その存在感はゆるやかに衰えていった。
*旧市街へ通じる門(この後、急坂が続く)
今回のトレド行は日帰りだったので、カテドラルとサンタ クルス美術館を訪れるのみという限られた旅程となった。
*カテドラル(トレド大聖堂)
カテドラルのなかの聖具室はさながらギャラリーである。バチカンのシスティナ礼拝堂を思い起こさせる造りでもある。目玉はエル グレコの『聖衣剥奪』だが、カラヴァッジョやゴヤも展示(?)されている。
*聖具室。奥にエル グレコ『聖衣剥奪』
サンタ クルス美術館は元慈善施設の建物を用いている。展示室の構成がその名のとおり十字形である。絵画と彫刻を鑑賞して後、パティオ(中庭)も見学できる。
*サンタ クルス美術館
ここで要注意なのは、中庭へ出る扉が一方通行で、館内に戻ること不可な点である。
僕は館内でおとなしくリベーラの画を観ているから先に中庭を見ておいでよと(ホセ デ リベーラは今回のスペイン行で好きになった画家の方のひとり)、家内を先に行かせたところ彼女は戻れなくなり、僕は知らずひとり沈思黙考の時間を楽しめたのだが、その後軽くけんかする羽目になった。ご注意願いたい。
*トレド駅はかわいらしい造りであった