チップという難解な習慣について
(2018年9月 バルセロナ, グラナダ, セビージャ, コルドバ, マドリード, トレド)
こちらスペインでも、タクシーやバルでチップを払う。アメリカのようにチップが強要されるような社会ではなく、何か特別なことをしてもらった時などに1~2ユーロを支払うくらいで良いと聞いた。または端数のお釣りを残してくるくらいで良いのだとも。むしろ払い過ぎに気を付けろと持参したガイドブックには書いてある。
*バルセロナ、カサ ミラ前を走るタクシー
例えばタクシーで9.6ユーロと提示されて10ユーロ紙幣を渡し、お釣りは取っておいて(このスペイン語は覚えた)というもわずか40セント(約52円)である。こんなんでいいのかとむしろこちらが申し訳なく感じたりもするのだが、ドライバーは満面の笑みを浮かべてグラシアス!といってくれる。
*マドリード、美術館通り(Paseo del arte)を走るタクシー
思うにチップとは、あなたのサービスに満足したという感謝の思いを伝えるのが真の目的であって、金額の多寡はさして問題ではないのではないか。海外を訪れるようになってからずっとチップは難しい難しいと苦手意識を持ち続けてきたが、そう考えれば何となく腑に落ちるものがある。
*バルで大人気のサングリア
もっとも国によって捉え方は異なり、それ以上に人によっても異なるのかもしれないが。チップの習慣とは日本で生まれ育った僕にとって確かに異質な文化ではある。
*このグラッパがうまかった
そういえば以前、アメリカ辺りをふらふら巡って帰国した直後、携帯のイヤホンマイクが壊れた。
たしか池袋のビックカメラかヨドバシカメラだったと記憶しているのだが、そのとき店員さんは「この機種にはこれとこれが合います。こちらは合いません。いくつか試してみます?」と商品パッケージを開けて複数種類試させてくれて、そのなかから気に入ったものを選ばせてくれたのだ。
これに感動した僕は、当然チップを払うべきである、感謝の想いを伝える義務があると強く感じ、どうもありがとう、これをはチップですと500円玉を一枚渡した。そのときの彼の困惑した顔が今も忘れられない。
*チップはTPOをわきまえて