楽しい投資研究所の旅日記

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アブダビ旅行記 [16] カタール危機と詩的なアラビア語のこと

  • 日本を発つ直前のタイミングでアラブ諸国カタールと断交した。空路も遮断されたと聞いて驚いた。
  • 今回の旅行にはエティハド航空を利用したのだが、最終的にカタール航空との二択で決めた。オランダやドイツとの空路に影響はないので、いずれを選んでも旅程に変更はなかっただろうが、仮にドーハでトランジットをするとなれば、多少の混乱は覚悟しなければならなかった。
  • アブダビで手に入れた新聞ではいずれも連日、カタール外交危機の見出しがトップにあった。
  • サウジ、UAE、エジプト、バーレーンカタールが現実的に受け入れ不可能な13の要求を突きつけ、あとはそちらの回答次第だと突き放したとか、そもそも無知で単純な米国大統領の軽率な発言が発端だったとか報じられているが、この辺りの事情は複雑すぎて正直よくわからない。
  • ところで、UAEの英字紙Khaleej Times(直訳すれば「半島新聞」。UAEで最も歴史のある新聞)のトップ記事は、ドバイの皇太子がカタールに詩で呼びかけた(インスタグラムで)というものであった。

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Poem (c) Khaleej Times

  • ポエムとは場違いな単語だと一瞬思ったが、そういえばアラブでは古来、詩が重要な役割を果たしてきたのだとどこかで読んだ。
  • アラビア語は詩的要素を多分に含む言語であって、ふるくは部族間の戦でも詩が大きな、ときに決定的な影響力を持った。戦ではまず、それぞれの代表詩人による詩の掛け合いが行われ、優劣を競ったのだそうだ。その結果で勝敗の大勢が決まったという。アラブの言霊である。
  • アラビア語の音楽的な響きに陶酔してしまうのがアラブ人であり、それゆえか彼らは論理的思考が不得手である、という話も複数の本で読んだ。たしかに日に数度流れるアザーンは音楽的である。
  • 僕はアザーンの響きが好きなので、こちらに住む人に、アザーンは音楽的で趣がありますよね、といったところ鼻で笑われた。毎日聞かされる身にもなってみろ、ということらしい。