アムステルダム旅行記 [8] オランダ商人の押し出しのこと
- 運河に面した建物には間口税と呼ばれる税金が課された(16世紀)。当時のアムステルダム市民は間口を極力狭めて、奥行きを広くとった。スペースがありさえすれば、間口のみ狭く、奥は広くといった家屋設計とした。節税対策である。
- 一方、富裕な商人は必要以上に間口を広くとることもした。己の財力の誇示であり、商人としての押し出しであろう。窓は上部ほど小さく造られている。遠近法で実際よりも高く見えるようにだそうだ。
- 間口が狭いので家具の出し入れには工夫が要る。引越時には窓から直接搬入するのだ。建物の上部に鉤が取り付けられており、ロープを使い、吊り下げて家具の出し入れ行う。
鉤付き
- アムステルダムは砂地であるため、古い建物のなかには傾いてしまっているものもある。しかし現在も普通に住居として使われているもようである。
- よく見ると道側にも傾いている。地盤がやわらかいとたいへんだ、と思っていたら、家具の出し入れの際に外壁に傷がつかないよう、あえてオーバーハング状のつくりとしているのだという。
傾いている