楽しい投資研究所の旅日記

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アムステルダム旅行記 [4] レンブラントの夜警のこと

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国立美術館アムステルダム中央駅からトラムで約10分。

  • 現存するフェルメールの作品は多くはなく、彼の作品か疑われているものを含めても四〇点に満たない。これらのうち四点が、ここアムステルダムにある。
  • そのはずなのだが、いくら探しても三点しか見当たらない。「恋文」と題された画がどこにもない。インフォメーション カウンターの女性に訊ねると、現在貸し出し中とのことであった。今はダブリンにあり(2017年9月まで)、次はワシントンD.C.へ向かう予定なのだという。アムステルダムに戻ってくるのは早くとも2018年11月になる。
  • こういうことは事前に告知しておいてほしいものだが、なかなかわからない。実際に足を運んで初めて、そこにあるはずの画がないないというのはよくある話である。
  • できることなら避けたい事態である。しかしどうしようもないので、またこの都市を訪れる理由ができたと前向きにとらえることにした。
  • フェルメールもいいのだが、それ以上に僕はレンブラントが好みである。美術の素養などまるでなかった自分であるが、十四年前ロンドンで英国王室所蔵というレンブラントの作品を観たとき、世の中にはすごい画があるものだと驚いたのだ。
  • なかでも今回観ることのできた「夜警」の解説が興味深かった。

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美術館内。奥に「夜警」。

  • 暗い背景から夜警と題されたが、描かれているのは日中の自警団の様子である(タイトルは画家が付けたものではない)。
  • 集団の中にベレー帽をかぶった男が片目だけ覗かせているが、その人物がレンブラント自身である。

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レンブラント本人(中央・片目のみ)

  • レンブラントが受注したのは火縄銃手組合からの集団肖像画であるが、画中の人物の扱いに軽重があり、光の当てられた人物がいる一方で、影のなかに沈んだままの人物もいる。レンブラントはそれ以前の表現手法と異なり、集団肖像画の中に動きやストーリー性を持たせた。
  • この画の代金は払ってもらえたのだが、画中で軽く扱われた組合員の不興を買い、これ以後その組合からレンブラントに発注されることはなかった。
  • 1975年にUnbalancedな男によってナイフで傷をつけられたことがある。 ”Unbalanced”とはどういう意味だろう?画の近くでよろめいて、たまたま手に持っていたナイフで傷つけてしまったとかだろうかと解説文を読んだときは思ったが、精神が不安定な男が切り付けたということらしい。
  • ところで当美術館には、この画にはいくらの値がつけられるかという問い合わせがよくあるが、価格など付けられたものではない。そもそもこの画は売りものではないのだ!とのこと。