ウィーン旅行記 - メドゥーサに二度会う
- ウィーンの美術史博物館には、ルーベンスの画が多かった。ハプスブルク家の当主たちはルーベンスを好んだもようである。なかでも「メドゥーサの頭部」が毒々しくてリアルで、とても良かった。家に飾るのは不向きだろうけれど、体の芯に響いて来るような迫力を感じた。これが本物か。
- 神話によればメドゥーサは美しい娘だったが、嫉妬に駆られた神アテナの呪いを受け、毒蛇の髪を持つ忌まわしい姿に変えられた。その視線には見た者を石に変える魔力を宿すようになり、最後は首を刎ねられ殺された。
- そういえば、地中海沿岸の人々は、ひとの悪意ある視線を畏れてナザール・ボンジュウをつくった。
- 旅先で二度メドゥーサに出逢った。なにか意味があるのかしらと、少しばかり考えさせられた。