楽しい投資研究所の旅日記

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アブダビ旅行記 [8] シャングリ ラのなかの運河のこと

  • シャングリ ラ ホテルの敷地内にスーク(市場)がある。貴金属店、宝飾店、絨毯売りの店、ランドリー店、日用品を扱うスーパーもある。アブダビは生活用品の多くを輸入に頼っているようで、スーパーで売られている商品の価格は概して高い印象だった。
  • スークにあるランドリー店には軽く場違い感を覚えたが、まあスーパーもあるくらいだし、とこのときは深く考えず通り過ぎた。
  • 敷地内には小さな運河が走っていて、たまにボートが通る。宿泊客は自由にこれを利用できると聞いた。
  • グランドモスクからタクシーで帰ってきたとき、ドライバーはなぜかホテルのメインエントランスでなく、隣接するスークの入り口に付けた。スークを見学してのち、インフォメーションの女性にここからホテルへ戻る道を訊いたところ、歩いても帰れるがボートに乗って帰ることもできるという。
  • ぜひボートでお願いしたいと伝えると、ランドリー店を紹介された。そこでボートを呼べるのだという。
  • 改めてランドリー店を訪れ、店主らしき人物にボートでホテルに戻りたい旨を伝えると、すぐ手配してくれ、停泊所まで案内してくれた。3分ほどで来るからここで待てという。
  • 待っている間は少々暑さがこたえたが、ボートはすぐに来た。

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来た

  • ボートの船頭は、このままホテルにまっすぐ帰るか?それとも運河をひと回りしてから帰るか?と訊いてきた。せっかくなので、ひと回りしてから帰りたいと伝えた。
  • 運河を端までゆき、そこからUターンしてホテルまで、ゆったりとした水上のときを楽しむことができた。必要性などまったくない、この明らかに無駄な時間、効率性の度外視とは、豊かな時間の一側面でもある。

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ホテル内運河

  • 純粋に楽しいひとときであった。

※ただ舟に乗っているだけの動画も撮った。

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アブダビ旅行記 [7] シャングリ ラ ホテルのこと

  • アブダビではちょっと高めの部屋を取ったので、最上階のラウンジを自由に使えた。ラウンジの女性スタッフが上品かつフレンドリーに話しかけてくる。今回の旅程のなかで最も英語力を試されたと感じたのがここであった(赤点)。
  • 落ち着いた空間で、窓からグランドモスクを遠望できる。夕陽を背景にしたモスクの姿は荘厳ですばらしかった。夜のモスクも紫色の光でライトアップされて美しく見事なものである。

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夕陽を背にグランド モスク

  • マネジャーと名乗る男性が我々のテーブルにやって来て、他愛のない話をしばらく続けた。グランドモスクの夜のライトアップは月相と連動させているのだという話を、ここで聞いた。
  • ところであなたはどのようなお仕事をなさっているのですか?訊いてよろしければですが、ときた。普通に会計士をやってるんですよとこたえた。
  • シャングリ ラ ホテルズは公開会社では?と尋ねると、そうです、KPMGの監査を受けていますという。僕が以前勤めていた監査法人は現在KPMGと提携していて、家内はそこではたらいていたのです。もしかしたら彼女はシャングリ ラ担当だったかもしれませんなどと軽口を叩くと彼は、おおそれは恐ろしい話ですといい、名刺を置いて行ってくれた。

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ラウンジから見た夜のグランド モスク

アブダビ旅行記 [6] グランド モスクのこと

  • アブダビに入ったその日、ホテルでひと眠りしてからグランド モスクへ出かけた。
  • グランド モスクは通称であり、正式にはシェイク ザーイド モスクという。ホテルから車で一〇分ほどのところにあった。

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でかい。暑い。

  • 入場料は無料。ただ空港と同じようなセキュリティチェックがある。セキュリティチェックのための部屋は男女別である。
  • 僕が持ち込んだバッグにはのど飴が入っていて、検査官にこれは何だと尋ねられた。キャンディであるとこたえたが、検査官はしばし考えて後、これは持って入れない、と取り上げた。捨ててしまうのか?と訊いたところ、いやここに置いておくだけだから、帰るときに持っていってくれという。

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大理石が涼しげだがまだ暑い。

  • 屋内は良いのだが屋外は高温多湿の熱地獄である。陽射しは強烈で、汗が文字通り吹き出る。暑いだろうとは思っていたが砂漠のイメージだったので、ここまで湿度が高いとは思わなかった。
  • グランド モスク自体は壮麗な建造物であり、見ていて飽きない。一〇年かけて造られたUAE最大のモスクである。二〇〇七年に完成した。建築コストはUSドルに換算して5億ドル超。主導したのは前アブダビ首長のザーイド ビン スルターン アル ナヒヤーン。彼はフォーブスの富豪ランキング常連でもあった。このモスクは、文化的にも多様なイスラーム世界の結束を祈念してつくられたという。
  • とはいうものの、アブダビ首長国は石油収入への依存度を下げるべく収入の柱として観光業育成も重視している。また豊富な石油収入を背景に高福祉を実現し、国民の不満少なく専制体制を維持する国家でもある。観光客の誘致とともに、首長としての権威の誇示が必要かつ重要な目的だったのではないか。

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広い。

  • グランド モスクはトリップアドバイザーの投票で、世界で二番目に人気のあるランドマークとされた(2009年)。
  • 世界一広い一枚絨毯が置かれてある。

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世界一大きなペルシア絨毯だそうだ。

  • 全体的にきれいで清潔感がある。歴史はないかもしれないが半日くらいぼーっとして過ごしてみたい場所ではあった。
  • 屋内は冷房がよく効いていて涼しい。屋内とはいえ、ちょっとしたオープンスペースである。それでもひんやりと涼しくて居心地が良い。このエネルギーの使いようはさすが産油国と思わせられる。
  • 礼拝の時刻を示すデジタル時計が掲げられている。

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礼拝にはそれぞれ名前がつけられているのだ。

  • ミナレット(尖塔)は4本。
  • 中庭からドームの写真を撮っておこうとカメラを向けたとき、うっかり裸眼で太陽を直視してしまった。そのとき、あ、これはやばい太陽だと直観した。

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この太陽はやばい(健康的に)。

アブダビ旅行記 [5] ゆずらない両替商のこと

  • 無事入国できたので、スーツケースを受け取るためターン テーブル前に陣取って待った。ところがなかなか出てこない。ようやく動き出したと思ったら十個くらい出てきて止まったりする。我々のは待てども出てこない。

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出てこない

  • これはやられたかとロストバゲージを半ば覚悟したところで出てきた。エアベルリンの人々はしっかりしていたので心配不要のはずとは思ったのだが、降機してから荷物を受け取るまで妙に時間がかかった。
  • さて、ディルハムを調達しなければならない。ホテルに朝食はついているし、ラウンジでお茶もできる。クラブルームを押さえているので、夜はただ酒飲み放題のはずである。アブダビでは現地通貨を使う予定がほとんどなかったので100ユーロをディルハムに替えてくれと空港の両替商に伝えた。
  • するとその両替商、これでは足りないから300ユーロをディルハムに替えるべきだという。
  • 彼いわく、これはお得なオファーであり余ったディルハムは後日同一レートでユーロに替えてくれるという。この取引は最低ラインが300ユーロだからそうしておけと。
  • いや、そんなに使う予定はないし、取引はシンプルなのが一番である。初めにいったように100ユーロを替えてくれと伝えるが、両替商は譲らない。いや300ユーロにすべきだ、それでは絶対足りないからと。あなたはいったい何者なのか。

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ディルハム紙幣とフィルス コイン

  • いきなり面白いアラブ人に出会えて嬉しい私である。結局彼は不本意な表情ではあったが100ユーロを343ディルハムに替えてくれた(結局、半分近くが余った)。
  • 空港からホテルまではタクシーで移動する。今回アブダビで押さえた宿はシャングリ ラ ホテル カリヤト アル ベリ である。

アブダビ旅行記 [4] 強制的な虹彩認証登録のこと

  • さいわい泥酔することなく、アブダビ国際空港のゲートをくぐることができた。

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ペルシア湾上空を渡った。アラブ諸国はこれをアラビア湾と呼ぶ。

  • パスポートコントロールのカウンターにて、アラブ服の入国審査官からカウンター横に立てと指示された。重ねて何やらいわれたのだがよく聞き取れない。ソーリー?と訊き返すと、叱責するような口調で目の前の柱を見上げろというアラブ人であった。
  • 虹彩認証登録のための装置のようだった。しばらく瞬きせずに見つめているとOKのサインが出た。パスポートを返してもらいバゲージ クレームのテーブルへ向かった。
  • この仕組み、2016年から導入されたらしい。旅行者は全員登録することが強制されている。入出国管理の手続きを簡素化するためであり、かかる時間を70%削減できるという。
  • たしかに、後日アブダビを出国する際にはパスポートを読み取り機にかざし、センサーを見つめただけで出国審査カウンター脇の通路を通過できた。早いのはたしかである。

ベルリン旅行記 [7] エアベルリンのこと

  • ベルリンから空路でアブダビに入った。
  • 飛んだのはベルリン テーゲル空港から。ドイツの主要空港のひとつなのだが、歩いてみると意外と粗いつくりである。'48年ベルリン封鎖事件のときに突貫工事でつくられた空港だそうなのでそれが理由かもしれない。
  • 航空会社はエアベルリン。エティハドとのコードシェア便である。
  • 列に並んでいたらビジネスクラスのチケットを持った客がプライオリティゲートはどこだと職員さんに訊いてきた。職員さんは不機嫌そうに、そんなものはないからここへ来いと私の前に割り込ませて手続きを始めた。ビジネスの客め。

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搭乗手続き

  • ただ、乗り込んでみれば想像以上に快適であった。特にCAの人たちの感じが良い。お飲み物は?と訊かれたので白ワインを、と頼んだ。それだけで良いのか?と朗らかな男性CAが重ねて訊いてくるので、じゃあ赤ワインも、と頼んだ。
  • この後も、ひとつ飲み物を頼めば、他はいらないのか?と訊ねてくれるのだ。気前の良いエアラインである。気に入った。

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徒歩で乗り込んだ

  • 西ベルリンは終戦から1990年まで英米仏の占領下にあった。西ベルリンへ飛ぶことのできたのは、占領国の航空会社それぞれ1社ずつとエアベルリンのみだった。今はドイツ資本だが創業者はアメリカ人である。占領統治下、ドイツの航空会社は就航できなかった。

 

ベルリン旅行記 [6] リッツ カールトン ホテルのこと

  • ベルリンの宿には ザ リッツ カールトン ベルリンを選んだ。僕にとっての初リッツである。ずっと楽しみにしていた。
  • ベルリン行きの高速鉄道がキャンセルになったと聞いたときには軽くめまいを覚えたが、その日のうちに無事到着できて何よりであった。

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朝食ビュッフェ。誕生日のお客さんがいたようで、花火付きのケーキがサービスされていた

  • リッツ カールトン関係者が書いたビジネス書や自己啓発本は何冊か読んだ。サービスがすごいらしい。
  • たしかにすごかった。タクシーでエントランスに乗り付けた瞬間にドアマンが駆け寄ってきて荷物を受け取り「お名前を頂戴してもよろしいでしょうか、サー」という風なことをいう。
  • 名前を告げると、そのままフロントにぐいぐい連れていかれ、フロントに立つ青年が「お待ちしておりました。フライトでお疲れでは」とかいう。
  • いや実はケルンから来たのだけれど、電車が止まって大変だったなどというと、「なんと、実は私も、ここにいる彼もケルンの出身なのです!大聖堂はいかがでしたか?」とか、チェックインの手続きのなかでも細かく会話を挟んでくる。笑顔がまぶしい。フレンドリーなサービスとはこういうことか!とか思った。

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シンクがふたつある

  • 会話文を一所懸命英語変換しながらやり取りしていると(本当は英語で考えて話すべきなのだが)「ところで我々のメンバーシップ制度にご興味がおありでは?」などという。勢いのまま、たいへん興味があると伝えれば「では、こちらにサインをいただけますか。それだけで結構です」というので、即サインする。これで僕もリッツ会員である。たとえメールがバンバン届いてもいいじゃないか。流れるようにからめとられていくのが分かる。それでいて気分が良いのだ。おそろしい話である。

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バスルーム。湯船につかりながらシャンパンを飲んだりするもののようだ。

  • 街をうろついて帰ってきても、上品なドアマンが「ウェルカムバック、サー」とにこやかに声をかけてくる。なかでも、ひとりの黒人男性ドアマンの対応は、ちょっと神懸かったような水準で、サービスされるこちら側が圧倒されるような思いであった。
  • なるほどハイレベルなサービスとは、サービスを受ける側が圧倒されるものなのだ。
  • これだけでも元が取れたといえる経験である。