楽しい投資研究所の旅日記

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ベルリン旅行記 [4] レンブラントのスザンナの画のこと

  • レンブラントの「スザンナと老人」(あるいは「長老たちに脅かされるスザンナ」)。ベルリン絵画館を訪れて初めて観た。

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「スザンナと老人」1647年

  • 今回はフェルメール作品を所蔵する美術館巡りをひとつのテーマにして廻っているのだが、同じオランダ人レンブラントの作品も多数観られて嬉しい旅である。
  • このスザンナ、ずっと見たいと思っていた画であるが、解説文が衝撃的であった。18世紀にイギリス人画家レイノルズなる人物がこの画を一時所有していたのだが、その男、元のレンブラント作品に自ら手を入れて、オリジナルの画とはまるで異なったものに描き直してしてしまったらしい。2015年の調査で明らかになった。しかしそんなことが許されるのか。
  • ベルリン絵画館は今も目玉作品の一つとして展示し、世界中から大勢の人々がこれを観に訪れている。そして実際、僕もこの画が好きである。
  • 元の画はこういうものだったらしいという写真が横に示されていたが、それを見るになるほど現在の画の方が魅力的にも見える。

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改変前

  • それにしても人類の遺産ともいうべき画に上塗りするとは(それどころか一部消去もしている)どういう神経をしているのか。オリジナルはそのままに最初から自分で描けば良いではないか。自我の肥大した人物だったのだろう。
  • 多少の憤りを覚えつつ、改めてスザンナの画を観た。それでもやはり魅力的な画であった。しかしこの男は許せないと思うな。

ベルリン旅行記 [3] 旅先での洗濯のこと

  • 洗濯を済ませた。1度目はアムステルダムで、2度目はここベルリンで、である。着替えは一週間分を持ち歩くことにしている。今回の旅程は三週間なので洗濯はこれで終了である。
  • Google mapで “Laundromat” と入力すれば近くのコインランドリーを示してくれて、経路も教えてくれる。つくづくありがたい時代であり、ありがたいGoogleである。
  • アムステルダムでもベルリンでもランドリー店はすぐ見つけられて、今回は比較的楽な旅であった。アムスではホテルから歩いて10分くらいのところに、ベルリンでは地下鉄で三駅移動したところに見つけた。
  • アムスのコインランドリーはコインのみ使用可であった。洗濯機の料金は4.5ユーロなのだが、5ユーロ札ではお釣りは出ない仕様である。細かなところでチップを強要する仕組みといえる。
  • 両替機はなく、代わりに自販機が置いてあった。コインが欲しければここで買い物をせよというわけである。ランドリーがあるだけでありがたいのだが、オランダ商人の末裔にしてはちょっとせこくないかと苦言を呈したくなるかなというシステムではあった。
  • ベルリンのランドリーはビューロウシュトラーセ駅の近くに見つけた。

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ベルリンの素敵なコインランドリー店

  • ベルリンの地下鉄は三駅までなら1.7ユーロで移動可である。広くてきれいで設備も充実していて、今まで使ったランドリーの中で一番良い店であった。表記がドイツ語のみだったので解読力が要求されたが、たまたま居合わせた女性客が親切に声をかけてくれて使用法を教えてくれた。
  • ベルリンの人は優しい。自分もかくありたいものだと思った。

ベルリン旅行記 [2] ぎゅうぎゅう詰めのこと

  • インフォメーションカウンターの長蛇の列に並んで訊いた。運行キャンセルになったと聞いたが本当か?我々はどうすればよいのか?すると、別の便へ振り替えるから次のこの列車に乗れという。その場で案内の紙をもらった。
  • ダンケ、良かった良かった、とその場を離れたが、新たな疑問が出てきた(知識が増えれば疑問も増える道理である)。我々が予約しているのは一等車なのだ。この便でも予約は有効なのか?再び長蛇の列に並んで訊いた。すると、チケット売り場で何とかしてくれるだろうという。
  • 今度はチケット売り場である。発券担当の女性はこれまた別の便への振替輸送案内を渡してきた。それはいいのだが、我々の一等車は・・・と尋ねると、この振替便に予約席はないという。
  • 結局、当初予定の三時間遅れでベルリンに着いた。道中は一等車も二等車もぎゅうぎゅう詰め状態であった。我々はさいわい(一等車両内に)席を確保できたのだが、席の空きがなく、床に座り込まざるをえない乗客も多数いた。彼らには払い戻しとかしてくれるのだろうか?危うく一等席料金で床に座る羽目になるところであった。

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ようやく着いた(空は明るいが19時近い)

  • 思いがけない手間ではあったが、旅先の日常とは不測の事態の連続でもある。
  • ケルンに延泊することも覚悟したが、予定の日にベルリンに入れて幸運であった。今回押さえたベルリンの宿はリッツ カールトンである。

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良さそうな宿

ベルリン旅行記 [1] 来ない電車

  • ケルン3日目の朝、この日の天気予報は雷雨だった。猛暑が続いていたので雨はありがたいと待ち望んでいたのだが、結局降らなかった。
  • 翌日の朝、ニュースではハノーファーが大荒れで床上浸水の被害を報じていた。気の毒なことだと思った。
  • 朝食を済ませてケルン中央駅へ向かった。これからベルリンへ向かう。ベルリン中央駅までは4時間以上かかる。ケルン中央駅10:48発のICEを予約してある。
  • 駅の運行案内電光掲示板には、その便の記載はあるのだがなぜかプラットフォーム番号の記載はなかった。遅延しているのかもしれない。そういえば昨晩は嵐だったのだ。ベルリン着が少々遅れてもやむを得ない。便名の横に ”fallt zug aus!” と記されているのが何だか気になるが、このドイツ語はわからない。きっと遅延か何かを意味しているのだろうとこのときは思った。

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電車が来ない

  • ベルリン行きの高速鉄道は2番プラットフォームからと決まっているらしい。電光掲示板には相変わらず案内が出ないがとりあえずその場所で待った。予定の発車時刻が来ても電車は現れない。駅職員さんにここで待っていて問題ないだろうかと尋ねたところ Ja, 問題ないとの答えが返ってきた。
  • しかし待てども来る気配がないので、通りがかった駅作業員さんを呼び止めて再度訊いた。するとその電車はキャンセルになったのだと教えられた。
  • ”fallt zug aus!” とは運行キャンセルを意味するのだ。このドイツ語は今後一生忘れないと思う。

アムステルダム旅行記 [9] ミュージアムカードとバブルとマイナス金利のこと

  • オランダには集団肖像画が多い。商業組合が画家に発注する例が多かったことによる。
  • 特定の権力者が画家たちのパトロンとなって画業を支えたのでなく、商人の集団がお金を出し合って画家に発注し、その売上を以て画家は生計を立てた。

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レンブラント「テュルプ博士の解剖学講義」マウリッツハイス

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フェルメール真珠の耳飾りの少女」マウリッツハイス

  • ミュージアムカードが便利でお得だった。ひとり59.9ユーロ(約7.5千円)で、これらの美術館を訪ね放題である。僕たちは国立美術館で買ったのだが(どの美術館でも取り扱っている様子)、その場でテンポラリカードが発行され、そのまま1ヵ月間使える。オランダ在住であれば後日正式なものが郵送で届けられ、それは1年間有効となる。

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Museumkaart(テンポラリカード)オランダになら住んでも良い

  • エルミタージュのみ追加でひとり2.5ユーロ必要だった。他にユダヤ歴史資料館、海洋博物館も訪れたのだがこれらもミュージアムカードの範囲内であり、元は十分に取れた。
  • オランダでは美術館があちらこちらにあって、ミュージアムカードの対象施設は膨大にある。魚はうまいし人々は穏やかで感じが良い。ここまで住んでも良いと思えた国は初めてである。
  • 半ば本気で不動産価格を調べてみたが、どうやらここ数年はバブル的に不動産価格が高騰している様子。ECBの超金融緩和政策でじゃぶじゃぶのユーロが流れ込んでいるのだろうと思われる。ちなみにオランダの国債利回りを見てみれば、現在3ヵ月物から7年物まですべてがマイナス金利状態である。

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(*Source: Investing.com)

www.investing.com

※ケルンにて追記。

ケルン旅行記 [2] カリーヴルストがうまい

  • ケルンの宿にはシティクラス レジデンス アム ドムを押さえた。ケルン中央駅から約500m。タクシーは使わず歩いたのだが、すぐ着いた。ストリートビューでその道のりをシミュレートできていたのでスムーズであった。Googleにはいつも助けられる。そういえばリモワのスーツケースもスムーズである。

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キャンセル待ちでようやく取れた

  • ホテルの目の前は旧市場を意味するアルターマルクト広場である。カフェ スタイルの居酒屋が多い。皆ビールを飲んで楽しそうである。そういえばケルシュは先年、田沢湖畔で浴びるほど飲んだ(※ケルンにて醸造のもののみケルシュと名乗ることが許されるそうなので、正しくはケルシュ風ビールか)。
  • アムステルダムでは明らかに食べ過ぎたので体が重い。旅行者を過食にさせるのだからオランダは大した国である。またドイツといえばビールであるからして体脂肪には要注意の旅といえる。
  • ケルン中央駅は駅ナカも充実しており、行列の出来ていた店でカリーヴルストを買い、ホテルに持ち帰って食べた。ブレートヒェンと呼ばれる小さなパンが付いて3.2ユーロ。実は昨日も同じものを同じ店で買って食べた。ザルツブルクのカリーヴルストは酷評していた家内がここのは絶賛している。

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本場

ケルン旅行記 [1] ケルン大聖堂

  • ドイツのケルンに入った。アムステルダムからICEで3時間弱。前にケルンを訪れたのは2003年の夏。今回は二度目の訪ケルンである。
  • ケルンの顔、大聖堂 "DOM" には十四年ぶりに再会する。正しくはザンクト・ペーター・ウント・マリア大聖堂。1996年に世界遺産となった。
  • DOMはケルン中央駅を出てすぐのところにある。容易には視界に納まらない規模の巨大な聖堂である。何度見ても息を呑む。着工から完成まで(資金繰りの都合で中断もあったが)六百数十年を費やした建造物である。

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でかい。

  • 以前来たときは、大聖堂の麓に小さなカメラ屋がぽつんとあった。カメラを持って来なかった旅行者、訪問者がその場でカメラを買ってしまうくらいの存在感なのである。
  • 今はiPhone(2007年リリース)も普及して、誰もが手軽に高画質の写真を撮れる時代である。あのカメラ屋はもうないのだろうな。一抹の寂しさを感じながらDOMの周囲をぐるりと廻ってみれば、以前見たときの三倍程度に拡張したカメラ屋が相変わらずそこにあった。

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景気良さそうで何よりである。