楽しい投資研究所の旅日記

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旅という贅沢

 

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イタリアのフィレンツェ。2008年7月。ウフィツィ美術館の窓から。

  • 年始に、以前旅したときの写真を見返した。当時の記憶がよみがえるようだ。ローマ、フィレンツェヴェネツィアバルセロナ、パリ、ロンドン、ワシントン、ニューヨーク、いちいち楽しかった。
  • 出張で訪れる海外も意義深いが100%自分のお金で行くのとではやはり違う。
  • それなりにコストはかかるが、ひとつひとつが一生ものの思い出となるのだ。これが本当の財産なのではなかろうか。
  • なので、年に数週間は旅行に充てるよう心がけて生きている。

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イタリア、ヴェネツィア水上バス。この後、船頭に難癖をつけられる。2008年7月。

  • ところで、昨年の夏に会ったコロラド人は年に数ヵ月間を旅してまわっているそうだ。それはすごい。こちらの負けである。彼は夫婦で世界中の自然遺産を巡って撮った写真を見せてくれた。奥さんは美人さんだった。
  • 彼は世界に名の知れたアカウンティングファームに籍を置く会計士だった。彼も大したものだが、数ヵ月間の休暇を与える事務所もえらい。
  • それで仕事はうまく回せているのかとか訊くのは野暮である(優れた男だったので回せているのだろうが)。そもそも人生の目的とは何なのか。仕事か?
  • いや仕事は第一の娯楽とすべきものと考えているが、お客様のご要望に即座に答えなくては!と、いつもいつも考え続けて人生最後の日を迎えたいとは思わない。
  • そもそも人生に目的なんてないのかもしれないし。
  • 何はともあれ、旅は健康と時間が伴わなければできたものではない。これ以上の贅沢はない。

 

 

旅先の宿について

 

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食べ過ぎる

  • 宿にはがんばってお金をかける。無理なく、ただし可能な限り良いホテルを選ぶ。ホテルの良し悪しが旅先の印象を大きく左右するので。
  • 十四年前、朝食付き一泊6千円のロンドンの安宿に独り泊まった。半地下の部屋、網戸もない鉄格子の付いた窓、スプリングの形状が背中で分かるベッド、何より鮮明に憶えているのは朝食用の一室でコーヒーとトースト一枚を無言でサーブしてくれる年若いロンドン娘の人を蔑んだような目つきである。それはそれで興奮いや思い出深いできごとなのだが、せめて朝食くらいは笑顔でグッドモーニングといわれたいものである。あっホテルにはお金をかけよう、と思わせられた経験である。
  • 良いホテルではたらく人にはやはり感じの良い人が多い。旅先で出会う人によっても、その地の印象が大きく変わる。
  • 良いサービスに触れることで、なるほどこういうことをこういう風にやれば人は喜ぶのかと、自分の体を使って感じ取ることもできるような気がしないでもない。
  • 香港では、インターコンチネンタル グランド スタンフォード香港を予約した。ちょっとがんばってクラブルームをとった。ラウンジでの食事と酒に期待したのだ。
  • 港を望めるラウンジで、朝食とアフタヌーンティー、夜はカクテルタイムを利用できる。食べ放題、飲み放題である。天国か。

ホテルスタッフ「いらっしゃいませ、お飲み物は何になさいますか?」
私「うむ、あのコニャックをくれたまへ。オンザロックで」
ホテルスタッフ「お持ちいたしました。どうぞ」
私「ありがとう」
ホテルスタッフ「エンジョイ」

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※ラウンジでの酒(コニャックV.S.O.P.とかいうもの)

  • このコニャックV.S.O.P.とかいうものが超うまいのだ。重ねていうが天国である。
  • 毎晩、ラウンジで学生ばりに飲んだ。就寝前の大量の水分摂取が大事。
  • ところで、クラブルームを取らなくとも、追加料金を払えばラウンジ アクセスを付けることができるとのこと。ひとりHKD700程度(二人だとHKD900程度)らしい。
  • ラウンジのスタッフさんたちは皆、感じが良くてすばらしい。がんばってよかった。
  • 強いて難点を挙げるとするならば、ほとんどの食事がラウンジで済んでしまうため、外で食べる気が失せてしまうことである。せっかくの香港なのに、もったいないことではある。

香港・台湾 旅行記 [4] - ホテル グランド リスボアのカジノ

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ホテルにあった翡翠の彫刻(ほかにも多数)

  • マカオのフェリーターミナルから市内へは、タクシーで向かってもよいが、カジノ利用客・宿泊客のための無料送迎バスも便利である。港の前のバスターミナルで、目的のホテルの担当者へ声をかけ、バスを待てば良い。
  • そんな流れで、ホテル グランド リスボアのカジノを訪れた。
  • 大小を見学。3つのサイコロが振られて出た目によって、勝ち負けが決まる。大か小かに賭けるのが一番シンプルな賭け方。当たれば倍になる。ただし、ゾロ目が出たら負けなので、勝率は50%未満(48.6%)である。
  • 続ければ続けるほど、この差分(1.4%)で損失を被る結果へ収束していく。プレイヤーにお金を貸したいとは思わないが、胴元・カジノ運営会社になら投資してもよい。
  • 株式の売買の場合は売買手数料のような取引コストが投資元本を削り取っていく。短期的な株の売買はマカオで大小をやることと同じなので損するのが普通である。
  • ディーラーはサイコロに直接手を触れることができないよう、ドーム状のサイコロ振りマシーン(何と呼ぶのか)が使われる。イカサマしていませんよと。確率的に有利なのだからイカサマ不要である。
  • 賭けている人たちを観察していると、ツイているお客がなかにはいるもので、不思議と連続して当てていたりする。その場で一番勝っている人の隣に座って真似し続けるのが勝つ秘訣だと聞いたこともある。ツキの流れというものがあるのだろうか。
  • そういえば事業一般でも一番大切なのは運であると教わった。
  • 帰路、ホテルからフェリーターミナルへ向かうバスに乗るには、カジノ フロアにある窓口でチケットを受け取る必要あり。ただ、カジノにお金を落としたかどうかは問われない。
  • ところで、ホテル グランド リスボアのロビーに展示されていた翡翠の彫刻は、後日、台北の故宮博物院でみたどの彫刻よりも価値高そうに見えた。儲かっているようである。

 

香港・台湾 旅行記 [3] - マカオが魅力的だったこと

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聖ポール天主堂跡世界遺産

  • マカオに来るのは2度目だが、前回は社員旅行で同僚たちについて回っただけである。全然調べなかったし知識もなかった。なので、前回の記憶はほとんどない。
  • 初めて知ったのだが、実はマカオは世界遺産だらけのとても興味深いところなのである。
  • 香港からはターボジェットで1時間強。朝はホテルでゆっくりしてのんびり行けばいいやなどと思っていると、普通席(エコノミークラス HKD153)が埋まってしまい、高額のスーパークラス(HKD326)しかないなどということになってしまう。早めにフェリーターミナルへ向かうのが良い(僕たちは高い席しかとれなかった)。
  • マカオは中国の特別行政区。中国には現在、ふたつの特別行政区があり、香港とマカオがこれに当たる。
  • マカオがポルトガルの支配下に置かれたのは清朝時代(1849年に占拠)。アヘン戦争後にイギリスが香港を獲得したことに刺激されてのことといわれる。
  • 清はポルトガルに永久的占有を認めたけれども割譲はしていない。主権は清にあった。返還されたのは1999年。
  • 通貨はマカオ・パタカ(MOP)。ただし香港ドルも普通に使える。1香港ドル=1.03パタカの固定レートであり、香港ドルの方が3%高い。そのはずなのだが、マカオではほぼ等価で扱われている。エッグタルトやカレーおでんを買ったときなど1香港ドル=1パタカの扱いで請求されてしまうのでやや不利である。なお、香港でパタカは使えない。
  • 香港ドルで支払っておつりがパタカで返ってきたときはやられたと思ったが、カレーおでん屋のおかみさんは、あら間違えちゃったわ、ごめんなさいねと、お釣りを香港ドルに換えてくれた。そしてカレーおでんはびっくりするくらいおいしかった。

香港・台湾 旅行記 [2] - ロレックス ショップ巡り(デイトナ探し)

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  • 新しいデイトナが欲しいなと思い、東京都内のいくつかのショップを巡ってみたのだが、どこにも置いていない。聞けば、月に一本くらいのペースで入荷されるそうなのだが、入れば即出るという状況で、在庫なしとのこと。そもそも流通価格が定価の倍近くするのだ(2016年10月時点)。正規店で仕入れてそのまま転売してもン十万円の差益が得られる状況である。自由市場経済の有益さは認識しているつもりだが、所有する気がないのならそういうことはやめていただきたいものである。
  • 香港のロレックスショップを調べてみると、結構な数の店舗があるのだと知った。これは手に入るかも。ちなみに香港では外貨の持ち込み・持ち出しいずれも無制限である。
  • 片端からショップを巡ってみたのだが、結局、影も形も気配すらなかった。こちらの店舗はいずれも小ぶりで、東京で探した方がどちらかといえば手に入れやすいのではないかと感じた。
  • ただ、上環のショッピングモール「ザ・ランドマーク」にあったショップの店員さんはとても感じが良かった。買うのならこういうところで買いたい。
  • 一方、ネイザンロード沿いのショップでは、足を踏み入れるなり、何か用かといわんばかりの対応であった。二言三言、友好的に話しかけたりもしたのだが、買う気がないのなら帰れという風情である。こういうショップもあるんだ、と軽く驚いたが、僕が悪いのだ。時計をつけ忘れていたのである(暑かった)。冷やかしと思われるのも当然だ。ロレックス ショップ巡りにはロレックスが必須なのである(僕の場合)。
  • さて、こういうのをブランドショップ巡りというのだろうか。旅先でこんなことをするのは初めてである。終わってみれば、大して得るものはなかった。柄にもないことをするものではない。
  • ところで、香港でよく見かけたのがこちらの「周大福」。中国本土を含めて宝飾品販売最大手だそうである。拠点は香港。たしかにマカオでもよく見かけた。香港証取上場。昨今、中国本土からの観光客が減少し、業績が厳しいらしいと帰国後に日経で読んだ。

香港・台湾 旅行記 [1] - 台湾桃園国際空港の青い空。あと旅について

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  • 旅を意味する ”travel” はアングロ・フランス語の ”travail” に由来する。「骨折り」「労苦」を意味することばだそうだ。その語源をさらにさかのぼれば、ラテン語の ”trepalium” に行き着く。その意味は「責め道具」。旅とは苦痛そのものであり、拷問に等しいものであったらしい。
  • 時代が変われば、言葉の意味も変わるのか、環境が変わったためか、それとも僕が変わっているのか。旅は僕にとって生きていくなかで2番目に楽しい娯楽である。
  • 旅先は日常の場から遠く離れたところが好ましい。気分が変わる。意識の状態が普段とはまるで異なるように感じる。そういう時は普段では思いつかないようなことを考えたりする。環境は思考に大きな影響を与えるのだろう。
  • 何か大切な決断を要するときには旅に出ることにしている。そんなときはめったにあるものではないが、そうすることは僕の人生に必ずといっていいほどいつも、良い影響を与えてくれた。非日常的な環境が、日常の枠を超えた思考を可能にしてくれたからなのかもしれない。
  •  今年は香港と台湾を訪れることにした。出発は10月3日。台湾は縦断するルートで、台北市と台中(日月潭)、高雄市の三所に滞在する。現地14泊の予定を立てた。
  • 利用した航空会社は中華航空である。今回もHISで予約した。
  • ホテルはBooking.comを通じて予約した。以前はExpediaを利用していたのだが、こちらは決済の段階で諸費用が加算されるのでいつも最後に驚かされる。わかりにくい。そのため、よりシンプルに案内してくれるBooking.comへと鞍を換えた。
  • 海外旅行保険はHS損保を利用した。コストの問題である。これまで、海外を訪れる際には必ず海外旅行保険に加入するようにしてきた。これからもそうするつもりなのだが、一度も保険金を請求したことがない。支払った保険料の総額はそこそこの金額になるはずである。しかし、保険金の請求に至らなかったこと自体が有難いことである。
  • 今回は、まず香港へ向かった。台北の台湾桃園国際空港にてトランジットである。台湾桃園国際空港から見た空は、澄んだ深い青で美しかった。

「情報だ」

情報について考えていると、よく思い出す節がある。

今日もふと思い出して、どの本だったか、どこにあったかと探した。これまでも探したことが何度かあった。なので、自分のための覚書です。

※隠れていた宇宙(Brian Greene著)下巻 p128 からの抜粋。

(1998年、数十年後に物理学の主要テーマとなっているのはなんだと思うかとの問いに、ジョン・ホイーラーは長考して後、言った)

「情報だ」

従来、物理学はものに焦点を合わせ、その振る舞いに影響を与えたり相互作用を支配したりする力を研究してきた。

しかしホイーラーは、もの――物質と放射――を補助的なものとみなし、もっと抽象的で根源的な存在、すなわち情報の担い手と考えるべきだ、と主張していた。

彼は物質と放射はどうやら幻影だというのではなく、むしろ、もっと基本的なものが形になって現れたものだと論じた。Realityの中心にあって、それ以上小さくできない核をつくっているのは、情報――粒子がどこにあるか、どういう向きに回っているか、その電荷は正か負か、など――だと考えていたのだ。

そのような情報が実在の粒子に具体的に示されて、その粒子が現実の場所を占め、一定のスピンと電荷をもつ――それは建築家の図面が超高層ビルとして具体的な形にされるのに似ている。基本的な情報は青写真のなかにある。高層ビルは、建築家の設計に含まれた情報が物理的に形になったものに過ぎない。

この視点から見ると、宇宙は情報処理装置と考えることができる。

 

 この本はほんとうに面白い。

 隠れていた宇宙 ブライアン・グリーン (著), 竹内薫 (監修), 大田直子 (翻訳)

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