楽しい投資研究所の旅日記

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香港・台湾 旅行記 [1] - 台湾桃園国際空港の青い空。あと旅について

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  • 旅を意味する ”travel” はアングロ・フランス語の ”travail” に由来する。「骨折り」「労苦」を意味することばだそうだ。その語源をさらにさかのぼれば、ラテン語の ”trepalium” に行き着く。その意味は「責め道具」。旅とは苦痛そのものであり、拷問に等しいものであったらしい。
  • 時代が変われば、言葉の意味も変わるのか、環境が変わったためか、それとも僕が変わっているのか。旅は僕にとって生きていくなかで2番目に楽しい娯楽である。
  • 旅先は日常の場から遠く離れたところが好ましい。気分が変わる。意識の状態が普段とはまるで異なるように感じる。そういう時は普段では思いつかないようなことを考えたりする。環境は思考に大きな影響を与えるのだろう。
  • 何か大切な決断を要するときには旅に出ることにしている。そんなときはめったにあるものではないが、そうすることは僕の人生に必ずといっていいほどいつも、良い影響を与えてくれた。非日常的な環境が、日常の枠を超えた思考を可能にしてくれたからなのかもしれない。
  •  今年は香港と台湾を訪れることにした。出発は10月3日。台湾は縦断するルートで、台北市と台中(日月潭)、高雄市の三所に滞在する。現地14泊の予定を立てた。
  • 利用した航空会社は中華航空である。今回もHISで予約した。
  • ホテルはBooking.comを通じて予約した。以前はExpediaを利用していたのだが、こちらは決済の段階で諸費用が加算されるのでいつも最後に驚かされる。わかりにくい。そのため、よりシンプルに案内してくれるBooking.comへと鞍を換えた。
  • 海外旅行保険はHS損保を利用した。コストの問題である。これまで、海外を訪れる際には必ず海外旅行保険に加入するようにしてきた。これからもそうするつもりなのだが、一度も保険金を請求したことがない。支払った保険料の総額はそこそこの金額になるはずである。しかし、保険金の請求に至らなかったこと自体が有難いことである。
  • 今回は、まず香港へ向かった。台北の台湾桃園国際空港にてトランジットである。台湾桃園国際空港から見た空は、澄んだ深い青で美しかった。

「情報だ」

情報について考えていると、よく思い出す節がある。

今日もふと思い出して、どの本だったか、どこにあったかと探した。これまでも探したことが何度かあった。なので、自分のための覚書です。

※隠れていた宇宙(Brian Greene著)下巻 p128 からの抜粋。

(1998年、数十年後に物理学の主要テーマとなっているのはなんだと思うかとの問いに、ジョン・ホイーラーは長考して後、言った)

「情報だ」

従来、物理学はものに焦点を合わせ、その振る舞いに影響を与えたり相互作用を支配したりする力を研究してきた。

しかしホイーラーは、もの――物質と放射――を補助的なものとみなし、もっと抽象的で根源的な存在、すなわち情報の担い手と考えるべきだ、と主張していた。

彼は物質と放射はどうやら幻影だというのではなく、むしろ、もっと基本的なものが形になって現れたものだと論じた。Realityの中心にあって、それ以上小さくできない核をつくっているのは、情報――粒子がどこにあるか、どういう向きに回っているか、その電荷は正か負か、など――だと考えていたのだ。

そのような情報が実在の粒子に具体的に示されて、その粒子が現実の場所を占め、一定のスピンと電荷をもつ――それは建築家の図面が超高層ビルとして具体的な形にされるのに似ている。基本的な情報は青写真のなかにある。高層ビルは、建築家の設計に含まれた情報が物理的に形になったものに過ぎない。

この視点から見ると、宇宙は情報処理装置と考えることができる。

 

 この本はほんとうに面白い。

 隠れていた宇宙 ブライアン・グリーン (著), 竹内薫 (監修), 大田直子 (翻訳)

www.amazon.co.jp

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トルコ旅行の覚書 - 異質なことばに触れたこと

  • 旅先は遠く離れたところがいい。日常から遠く離れた環境が好ましい。
  • 人は環境によってつくられるのだと聞いた。環境が変れば、見聞きすることが変わり、関わる人が変り、自然、考え方が変り、その結果、行動も変わる。そういう理解でいいのだろうか。
  • 今回の旅では、その準備段階で異質なものに出会えた。トルコ語である。

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アヤソフィア外観

  • 片言だけでも旅先の国、地域の言葉を覚えていくと、旅の質がまるで変わる。楽しさは10倍くらい大きなものになるように感じる。
  • トルコ語でこんにちはは「メルハバ」、おはようは「ギュナイドゥン」、ありがとうは「テシェッキュレデリム」である。早口言葉か。これまで触れてきた外国語とは異質な言語なのだと知って、気が遠くなった。
  • ただし、意外やトルコ語の文法構造は日本語に近い。日本人は比較的学びやすい言語なのだとも聞いた(本当だろうか?)。
  • これを書いていて思ったのだが、トルコ人の中に異様なまでに日本語の巧みな人がいるのはこういうところが関係しているのかもしれない。
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アヤソフィア内部

  • トルコ語にアルファベットを用いるようになったのは第1次世界大戦後の共和国建国後であり、それ以前はアラビア文字だったのだそうだ。最近の話である。
  • オスマン帝国時代は、支配下に置いた民族の言語に寛容だったのだと聞いた。支配者の言語の使用を強制することが基本的になかった。他言語を話す民族を支配圏に取り込んでいく中で、相互に影響を与えあったと考えるのは自然だろう。トルコ語に感じた異質さは、そういうところにあるのではないか。

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博物館となったアヤソフィアではキリスト教絵画とイスラム教装飾が共存していた

  • 以前、アラビア文字で書かれた新聞を買ったことがあるのだが、何が何だかさっぱり分からない。言語障壁の高さを痛いほどに感じた。バベルの塔を憎んだ神の怒りは強烈だったのだ。
  • 逆に考えれば、言葉は鍵ともいえる。異言語を手に入れれば、異世界への扉が開くはずだ。

トルコ旅行記 - トルコ人と日本語

イスタンブルに着いた日の朝(7時頃)、ブルーモスク前の広場の屋台でスィミット(パン)を買い、ベンチに腰掛けて食べていた。すると、

「こんにちは、日本人の方ですか?」と流暢な日本語で話しかけられた。小ざっぱりとした身なりの、中年のトルコ人男性であった。あやしいのは明らかである。

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イスタンブルにはどのようなご用で?」と訊いてくる。「家を買おうと思って」と目を合わさず応えた。
「もう何度かいらしているのですね、もう決められたのですか?」と訊かれたので、「いやトルコに来たのは初めてで」と応えた。

こんなテキトーな奴にはかまっていられない、と思ってくれるのを期待したのだが、
「着いたばかりで家ですか、やばいっすね(原文ママ)」
と立ち去るそぶりも見せない。それにしても日本語が上手い。

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結局、なにごともなく離れることができたのだが、異様なまでに日本語の巧みな男だった。ずっとその辺りをうろうろしていたので、どう見てもあやしいのだが、トルコ語を教えてくれたり、今にして思えば親切にしてもらった。

その後もイスタンブル滞在中、日本語を流暢に話すトルコ人に複数回出会った。

 

ウィーン旅行記 - 旅先での洗濯について

  • 今回はイスタンブル6、ザルツブルク4、ウィーン6と、現地に計16泊した。機内泊2を加えると18泊19日。一週間程度なら一週間分の着替えを持っていけばいいのだが、それを超えるとなると現地での洗濯が必要になる(我が家の場合)。
  • ホテルでのクリ―ニングを利用してもいいのだが、それは最終手段である。パンツ1枚に2ユーロ払うのはちょっと、と思うのは正常な感覚であろう。やはりコインランドリー(セルフ・ローンドリーまたはセルフ・オペレーテッド・ローンドリーで大概通じる)を利用したい。

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結構規模の大きなコインランドリー店。週末にはミニコンサートが催されるらしい。

  • コインランドリーはそれのみ独立して在るのはまれで、たいていクリーニング屋に併設されている。操作はどこも似たようなものなのだが、細かなところで違っていたりする。説明書きを読んでも分からなければ、操作法を教えてもらうため、店主や従業員、あるいはたまたまそこに居合わせた現地のお客さんをつかまえて訊くことになる。
  • 概して皆、親切である。旅行者に人々は優しい。人の本性は善なのだと感じる瞬間である。

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説明書き

  • 今回はザルツブルクとウィーンで洗濯した。イスタンブルではクルバンバイラムと重なったこともあって、営業しているランドリーを見つけられず、シャツをバスルームで手洗いした。洗濯は重労働であることを思い出した。松下幸之助は偉い、と思いつつシャツを絞る。乾かしたら良い具合に仕上がって満足である。
  • ザルツブルクではホテルのすぐ近くにコインランドリーを併設しているクリーニング屋を見つけた。洗剤込みで洗濯機と乾燥機使用のコースで10ユーロ。きれいに仕上がってこれまた上出来である。

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  • ウィーンでは目星をつけていたところに見つからず、初日は無駄足を踏んだ(とはいえ市内観光にはなった。マーケットを見学できたし、ビールも買えた)。
  • ホテルに戻ってGoogle検索の出番である。検索ワードは "self operated laundry wien" としたが、どうも切れが悪い。トリップアドバイザーのサイトも覗いたが、ウィーンへの旅行者の多くがこの問題に悩んでいることを知った。
  • そして意外なことに、ウィーンではストリート・ビューがほとんど使えないのである。市内の道のほとんどがカバーされていないのだ(主要幹線道路のみ見ることができる)。なぜかは知らない。
  • 結局、シンプルに "Laundry wien" で検索したところ、良さ気なところがヒットした。ホテルから歩いて行けそうな所にひとつある。翌朝、朝食を済ませてすぐ出発した。この時点で洗濯は喫緊の課題となっている。
  • このブロックの角にあるはず、と見たところ、建物自体が改装中であった。一瞬絶句したが、落ち着けば難局はたいてい打開できるものである。地図を見直した。通りを一本まちがえていた。

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ランドリーを求めて朝のウィーンを歩く

  • もう1ブロック先に、目当てのランドリーはあった。洗剤込みの洗濯と脱水(ここは脱水機が別であった)、乾燥機の使用全てで8.5ユーロ。
  • マシンを前にしてまごまごしていたら、洗濯に来ていた年配の女性が声をかけてくれた、何か分からないことありますかと。ここをこうしてああやってと一通り教えてくれた後、まだ5分くらいなら時間あるからここで待っていましょうか、とまでいってくれる。オーストリアの人々の温かさよ。自分にここまでできるだろうか。ありがとうございます、大丈夫です、ダンケシェン。
  • こうして無事、洗濯を終えられた。肩の荷が下りた気分である。帰路(朝市が立っていた)インド人の露店で想像通りの味のするカレーを食べて帰った。

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コインランドリーにもフリーWiFi

  • ところで、一回の洗濯には移動時間も含めて2~3時間かかる。旅先でこの時間のロスは惜しい、と思うこともあった。ホテルのクリーニングを利用すれば、時間をお金で買うこともできる。
  • ただ、これを書いていて思ったのだが、これまでの旅行を振り返るに、洗濯というイベントが旅の印象に大きな影響を与えている。
  • 旅の思い出の第一は、観光名所巡りではなく、現地の人とのコミュニケーションにあると思っている。二言三言でも、現地の人とのやり取りが、あとで考えれば良き思い出になっていたりする。
  • バルセロナのランドリーの女主人は明るくて親切で素敵な女性だった。ミラノではたまたまそこに居合わせた年配のご夫婦と知り合い、彼らもまた旅行者で、街の見どころ、気をつけるべきことなどを教えてもらった。日本料理の店がこちらで増えていること、日本料理は存在感を強めており、これはビジネスチャンスであろうことなどを話してもくれた。フィレンツェの繁盛しているクリーニング屋は、全部私にお任せ下さいと親切だったが、帰って見てみると靴下の片方が2足分なくなっていた。
  • 現地の人々の息吹に触れられる機会ともいえる。そうとらえれば、旅先の洗濯も悪いものではない。

トルコ旅行記 - 日本語が流暢なトルコ人

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ミュージアムパス(72時間もの)85トルコリラ(約3,400円)。

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皇帝の門。ここから宮殿に入る。

  • トプカプ宮殿へ向かう途中から人波に揉まれた。宮殿敷地内にも行列ができている。きっと入場チケットを求める人々の列なのだろう、ミュージアムパスを買っておいて良かったと、家内と話していたところ、
  • 「彼らも皆ミュージアムパスを持っているので、それは関係ないですね」という声(日本語。流暢)が聞こえた。
  • 周囲に日本人はいない。空耳かと思いきや、隣を歩いていたトルコ人の若い男が話しかけてきていた。
  • 「ヨーロッパからクルーズ船が到着したのです。だから今日は混雑する」
  • トプカプ宮殿を観ようというのなら、午後からにした方ががいい」
  • ヴィトンのベルトとロレックスの腕時計を身に付けた身綺麗な人物だった。旅行会社に勤めているという。宮殿前でお客と待ち合わせているのだと。

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トプカプ宮殿敷地内の大行列。ディズニーか。

  • いろいろと教えてくれた。「午前中は宮殿とは別のところを観にいった方がいい、バザールはもう観たか」
  • 「ただグランド・バザールは、観てもいいのだけれど、商品は偽物ばかりなので買ってはいけない
  • 「アラスタ・バザール(ブルーモスクの近く)には行ったか。そこなら買ってもいい」
  • 「食事はセブンヒルズがお勧めだ。日本のテレビでも取り上げられたレストランだ。ナインティナインオカムラが来た」

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アラスタ・バザール。比較的落ち着いた雰囲気。

  • 聞けばHISイスタンブル支店に勤めているのだという。
  • 僕たちも今回の航空券はHISで手配した。創業者の澤田氏は僕の憧れの人物でもある。
  • HISはすばらしい会社だ。日本の旅行会社ではベストだと思う、と彼に伝えた。
  • 「またまた、お世辞でしょう?(原文ママ)」と彼は言った。
  • 「この間、日本に行って来た」という。どこを訪れたのか、京都か?と尋ねたところ、「キンシチョーだ」と応えた。

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トプカプ宮殿内部。スルタンの家族が住んだ。新たなスルタンが即位するとき、兄弟皇子たちは法令に基づき皆殺しとされた(後継者争い防止目的)。

  • いろいろと教えてもらえて、本当に参考になった。何か請求されるにちがいないと思ったが、純粋に好意で教えてくれているようだった。謝意を伝え、握手して別れた。彼と一緒にいた彼の部下らしき若者も穏やかで好印象だった。
  • 今度訪れた時には彼にガイドを頼みたい(こう思わせるのだから優れたビジネスマンなのだろう)。そしてHIS株の取得を考えてもいいかもしれない。

ザルツブルクからウィーンへ - 高速鉄道Westbahnに乗る

  • ザルツブルクを発つ朝、日本で予約した鉄道チケットを探したが見つからない。印刷し忘れたらしい。軽く焦った。
  • こちらの駅に改札はなく、乗り込んだ車内で車掌がチケットを確認する。チケットはPDFなので改めてダウンロードしてiPadで提示した。まったく問題なかった。3年前、ニューヨークのアムトラックで他の乗客がそうしていたのを見て、へーそういうやり方もあるんだと思ったものだが、その経験が活きた。

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チケットをiPadで提示するハイテクのワザ(ナウい

  • ザルツブルクからウィーンまで、高速鉄道で2時間半の距離である。チケットは日本で予約した。
  • 国鉄オーストリア連邦鉄道OBBだと66ユーロかかるが、後発の私鉄ヴェストバーン(Westbahn)ならひとり25ユーロで済む。半額以下である。評判も良かったのでヴェストバーンにした。同社は駅にチケット売り場を持たず、インターネットか車内でのみ販売している。
  • 移動にはお金をかけて良いだろうと、上位クラスの「Plus」を利用した。
  • Plus利用者には特典があり、隣席に他の乗客が乗って来ない(そういうサービス)。
  • それでもひとり42ユーロであった(OBBの1等車は110ユーロ)。

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Plus車両内。通路側座席のバンドには「あなたの快適な旅のため、隣の席も押さえておきました」との表示あり

  • ヴェストバーン社は少人数の運営で低価格を実現している様子である。
  • ザルツブルク駅のホームにて、さてどの車両だろうと見まわしていると、制服姿の若い女性が、何かお困りですかと声を掛けてきた。チケット(PDF)を見せると、ああその席でしたら先頭車両ですのであちらです、と親切である。乗り込んでしばらくしてから切符を拝見とやって来た車掌も彼女だった。

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ザルツブルク駅構内のヴェストバーン車両。意外やPlus車両が一番遠かった

  • 結局、ウィーンに着くまで目にしたヴェストバーンの社員さんは彼女のみであった。てきぱきしていて感じの良いひとだった。彼女にもらったチョコは塩味が効いていて美味であった(ザルツブルクは岩塩の交易で栄えた)。